大判例

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大阪地方裁判所 昭和33年(ワ)3157号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実〕原告は請求の原因として、被告振出の約束手形の所持人であり、満期に手形を支払場所に呈示して支払を求めたが拒絶されたと述べたにとどまり、表見代理に関する何らの主張もしていない。なお、被告は右手形の振出の事実を否認すると述べて争つた。

〔判断〕判決は、本件約束手形は無権代理人によつて振出されたものと認定するとともに、被告は民法一一〇条の表見代理の場合における本人として、手形振出の責を負うべきであると判断し、続いて表見代理の主張の要否について次のとおり判示し、原告の請求を認容した。

し「こうして、約束手形の振出人に対し、満期における該手形金額の支払を訴求する場合において、振出行為が、当事者本人又は代理人もしくは補助者によりなされたかは、当事者において必ずしも主張することを要するものではなく、審理の結果、無権代理行為であるが表見代理関係の成立を肯定し、これに基き、請求の当否を判定するも、当事者が特に表見代理行為によりては請求しない旨を表明しない限り、主張しない事物を当事者に帰せしめたとはいえない。けだし、表見代理関係の成立する無権代理行為においては、本人がその行為の責に任じ、適法なる代理行為の場合と同様に、権利を取得し義務を負担する、ただ異るところといえば、表見代理の場合には、狭義の無権代理の効果をも生ずるから、相手方は取消権を有し、本人は追認して相手方の取消権を消滅させることができるだけであつて、その他の効果は全く同一で、両者は社会観念上同一の事実と認められるから、その態様や時期などの点で、陳述と認定との間に多少の相違があつても、主張事実を採用したものと見られるからである。

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